《2022年11月号》社会保険『106万円の壁』対象が拡大〜手取り額はいくら減る!
【今月のコンテンツ】
1:ご挨拶(今月の担当:金沢 滋)
2:お知らせ
3:今月のトピック
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こんにちは。 FinCube盛岡支社長の金沢です。
先日、ウクライナの民族弦楽器、バンドゥーラ奏者で歌手のカテリーナさんのライブに足を運びました。
カテリーナさんは、生後30日目でチェルノブイリ原発事故に被災、一家は強制退去に。
6歳で音楽団「チェルボナカリーナ」に入団後、日本でも何度か公演した縁で音楽拠点を東
京に移しました。しかし、今年2月のロシアによるウクライナ侵攻。母マリアさんも首都キーウからカテリーナさんのもとに避難しています。
ライブでは、伝統的な曲を演奏し、日本語での「翼をください」を奏で、最後のアンコール。「だれにも心のふるさとがあるはず。私は原発事故のない、そして戦争のない世界にすることが夢です。大好きな日本とウクライナを想い歌います。」とバンドゥーラを足元に置き静かに歌いはじめました。
うさぎ追いし かの山
小ぶな釣りし かの川
夢は今もめぐりて 忘れがたきふるさと
胸の奥が熱くなり、私の目からすぅーっと流れるものがありました。いかなる出来事も心のなかの風景を奪うことはできません。平和な世界を祈らざるを得ません。
もう11月。師走へ向け、くれぐれもご自愛ください。
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2:FinCubeからのお知らせ
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■年末調整に関わるご相談が多くなっております。オンラインでのご相談も受け付けておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
■2018年の創刊より毎月配信して参りました「FinCube便り」ですが、情報発信における環境の変化等を考慮し、Eメールによる定期配信は来月号までとさせて頂きますことをお知らせいたします。引き続き、SNS等メディアにて皆様のお役に立てる情報提供とアフターフォローに尽くして参りますので、今後ともご支援賜りますようお願い申し上げます。
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3:今月のトピック
社会保険『106万円の壁』対象が拡大〜手取り額はいくら減る!?
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今年10月から、社会保険のいわゆる「106万円の壁」の対象者が広がりました。
社会保険に関しては、いくつかの「壁」が存在しますが、まず一つの大きな壁が「130万円の壁」です。年収が130万円(月額10万8,000円)未満なら、扶養の範囲内となり、社会保険に加入する必要がないというものです。
2016年10月から、新たに「106万円の壁」が設けられ、年収が130万円未満であっても、106万円(月額8万8,000円)以上で「一定の要件」に当てはまる場合は、扶養から外れ、社会保険への加入が義務付けられました。
そして、今回の制度改正によって「106万円の壁」の要件が拡充され、より多くの人が加入対象となりました。
大きな変更点は2つです。
- 雇用期間が1年以上見込まれる ⇒2か月以上見込まれるに変更
- 従業員数が501人以上の企業 ⇒101人以上の企業に変更(2024年には「従業員数が50人を超える企業」へとさらに拡大される予定)
この制度改正により新たに社会保険への加入義務が生じた場合、保険料が天引きされ、手取り収入が減ってしまうことになります。
例えば、年収106万円の場合、社会保険料約15万円が引かれ、手取りが約91万円へと大きく減ることになります。
同じだけ働いても、手取り額が減ってしまい、家計への影響は軽視できません。
これまで、年収を130万円ギリギリに抑えていた人で、今回の要件変更に当てはまる場合、
年収を160万円くらいまでアップさせなければ、同じくらいの手取り額は得られないということにもなりかねません。
ただ、これはあくまで目先の手取り額の話で、社会保険に加入することは、デメリットばかりではありません。
将来、「老齢基礎年金」に加えて、「老齢厚生年金」も受けることができ、年金額が増えますし、いざというときは、「障害厚生年金」や「遺族厚生年金」も受給できます。
さらに、社会保険の健康保険に加入できますので、「傷病手当金」や「出産手当金」も受け取れるようになります。病気や怪我で働けなくなったとき、基本給の3分の2の手当が最長で1年半もらえるというのは、働く側にとって大きな安心材料となります。
まずは、ご自身がどの「壁」の要件に当てはまるのかを確認し、手取り額が減ってしまうというデメリットと、年金や社会保障の充実というメリットを考慮たうえで、ライフプランに合った働き方を考えてみてください。
弊社へのご相談はどなたでも無料です。オンラインでのご相談も受け付けておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。